今回はあまりにも楽すぎると逆に疲れるという話。
20代半ばの頃に、OLを辞めて仕事を探していました。
職安に通っていましたが、なかなか思うような仕事がなくて結局求人誌を見て『年内までの事務補助のアルバイト募集』ってのがありました。
なぜ年内までなのかは知らないですが、梅雨の時期だったので残り半年。
半年間くらいアルバイトでのんびり過ごすのもいいかなあと考え、応募しました。
家からも電車で3駅くらいで、簡単な事務補助と書いてあったのでゆるくて楽だろうと思いました。
なんとなく安易な考えで応募！
面接適当
まず面接に行くと簡単なパソコン入力出来るか出来ないかを聞かれました。
本当に簡単なパソコン入力と事務補助だけみたいな事を言われます。
前職も事務職だったので「できます！」の後に「頑張ります！」と付け加えておいて採用となりました。
すごく適当です。
志望動機も「家から近く通勤が便利だから」って書いたと思います。
とにかく暇、めちゃくちゃ暇、なんにも無い！
とにかく暇でした
仕事はなかったの？
無理やり作ってくれたけど、すぐ終わる仕事ばっかり・・・
会社は3階建てになっていて、1階と2階は製造ラインで、3階が事務所となっていました。
私の働く場所は3階の事務所になります。
こじんまりとした事務所で他には社長室があり、人数は6人くらいいました。
1つ目の仕事
初日に行って初めてやった仕事は、書類や見積もりを封筒に入れて送る。
封筒にあて先のシールを貼って、社名を確認、書類を入れて、封をして、切手を貼る。以上。
14時になったら、会社から50mほど行ったところのポストにまとめて郵便物を投函するから、それまでは指定の籠の中に入れておくだけ。
他にも郵便物が出てきたらポイポイとその籠の中に入れていく。
せいぜい10通くらいだったから、すぐに終わってしまった。
「終わりました」一応、隣の新人の教育担当？ぽい人に声を掛ける。
この時の私は20代で、相手の人は恐らく40代くらいの人だったと思います。
ちょっと困った様子。「次に何してもらおうかしら？」なんて相談しているし。
2つ目の仕事
次の仕事はレシートや領収書の仕分け。
領収書とレシートは月ごとに枚数を数えて輪ゴムで止めて付箋に枚数を書いて付ける。
タクシーチケットはノートに糊で貼ってコピーを取った気がします。
これも1時間ちょっとで終わった。
「終わりました」先ほどの人に言うと「もう終わったの？」と少し嫌そうな感じで言われる。
そして明らかに困った様子。
3つ目の仕事
3つ目に言われたのはハンコ押し。
領収書を5冊ほど渡される。領収書に社名印をバンバン押していく。
前の会社でもハンコはよく押していたのですごく速く押せるけれど「ゆっくりでいいからね」と言われる。
早くやり終わってはいけないのだと空気を読んで、私は異常にゆっくりと「もしかして寝てます？」っていうくらいのスピードでゆっくりハンコを押し始めた。
お昼休みを挟んで、何とか14時までかけたけど終わってしまった。
14時になったのでポストに郵便物を出しに行く。
亀のようにゆっくり歩いてポストまで行き、働いて初日だったけどすでに事務所に戻る足取りが重かったです。
「戻りたくない、もう辞めたい」一日目で思いました。
そして14時にポストに郵便を投函してしまうとやることがなくなる。
「何か手伝える事ありますか？」
と聞くと次は明らかに迷惑そうだった。
でも、仕事がないのは私のせいじゃないし、しかも初日だしと思ったけど、恐らくこの人のせいでもないのだろう。
未だに何故あの会社は人を雇ったのか謎です。
結局、その日は新聞紙をヒモでまとめたり、給湯室を掃除したり（しかも清掃員はちゃんと別にいる）、ファイルを綺麗に並べ変えたりして終了した。
翌日から会社に行くのが苦痛になりました。
まだ一日しか終わっていないのに・・・。
あまりにも無駄だった時間
翌日以降も暇なのは変わらず。
どうやらこの会社は男性陣はみんな営業に出ているっぽくて、3階の事務所内に常にいるのは経理に男性と女性が一人ずつ、製造の関係者が1人、後は私を含め3人が庶務っぽい感じです。
この仕事って本当に必要なの？って仕事ばかりでした。
名簿に間違いがないかチェックとか、背表紙のテプラが剥がれかかっているファイルのテプラの張り直しとか、切手の在庫を数えるとか、ウラ紙でメモ帳作りとか。
ものすごーくゆっくり、ゆっくり、やっても終わってしまう。
そして、昨日と同じ作業でハンコ押しを頼まれる。
初日は5冊渡されたけど、2日目は倍の10冊渡されました。
本気でやればすぐ終わるから、私はハンコを押すときに『右から1cm、下から1cmの位置にハンコの右下角がピッタリくるように』測って押した。
押した後に、ハンコの跡がつかないように、少しあおいでインクが完全に乾いてから次のを押す。
そして1冊押し終わるごとに、押し忘れはないかペラペラと1枚ずつめくって確認を2往復ずつやった。
領収書の仕分けも日付順に並べたり、次の日は大きさ順に並べたり、次の次の日はアイウエオ順に並べたり、色々やってもすぐ終わる。
それでも時間が余る。もはや地獄状態。
リストラ候補にあって、本人みずから辞めるのを待たれている人ってこんな感じなんでしょうか。
やることが何もないって忙しい以上にキツイのだとこの時に知りました。
究極にどうでもいい仕事
実は隣の正社員さんも暇そう
チラッと隣の人を見ると、隣の人はテプラをやっていました。
通常はファイルなどに貼るためにラベルを作っていると考えますが、見ると「しょうゆ」「塩」「ボディーソープ」「トリートメント」など・・・思いっきり、私用に使う分ですよね。
結局、隣の人も何もやることがないようなのです。
自分もやることがないのに、新人に「次、何しましょう」と聞かれるのもキツイだろうと思います。
私が終わったと知ると、隣の人は「これシュレッダーに掛けといて」と去年のカレンダーの新品を何本か私に渡したのでした。
こんなのごみ箱にポイで十分だけど、何もやることがないので一枚一枚はがしてシュレッダーにかけて行きました。
この時点で「もうこの会社は無理！」ってなりました。
それでも1か月半ほど頑張る
それでもこんな状態で1か月半ほどいました。
どうして1か月半もいたかというと、単純に定期券を購入したから。
しかも3か月定期を買ってしまい、3か月だけ我慢して働こうと考えましたが、限界でした。
3か月すら無理でした。
半年頑張るつもりが1か月半で辞めました。
結局、社長とは面接の時と後は数えるくらいしか会わなかったです。
会うというより、すぐにどこかに出かけるから見かけるといった感じです。
今なら1か月以内に辞めているだろうな。
副業とか頑張っている人で時間への意識高い人なら一日で辞めるんじゃないかな。
ラストの日
おさらばです
本当にこんな状況でなぜ人を雇うのかさっぱり分からなかったけれど、早々と逃げました。
最後の日も社長はいませんでした。
最後の日、帰るときに挨拶をしたら、いつもいるメンバーの人たちにお菓子を貰いました。
「暇だったよね、ごめんね～」と隣の人が言ってくれて若干救われたかも。
この事がトラウマとなって、それ以降は事務職をやったことがないです。
今後も恐らくやらないだろうなあ・・・。それくらい強烈な出来事でした。
これってある意味ブラック企業ですよね？