BOOK/本

『働くことがイヤな人のための本』 中島 義道(著) 

タイトルに惹かれて購入
哲学者である著者の若かりし頃のエピソードなども交えて読みやすく書かれている

刺さる人と反発感じる人と極端に分かれそうだなと思いました
私は何となく納得するような内容でした

はい、私働くの本当に嫌いです。大っ嫌いです
でも働かないと生きていけないので渋々働いています

働かなくてもいいというわけではない

タイトルだけ見ると、嫌な仕事はしなくていいんですよとか、落ち込んでいる人を優しく励ますような本かと勘違いしがちです

この本はどちらかというと逆です
仕事をせず引きこもる期間があってもいいが、ずっとそれでいいわけがない
どちらかというと働くことを推奨している本になります

人生のある時期に数か月あるいは数年引きこもる事は必要な事かもしれない
しかし、それに慣れてくると、私自身良く知っているのだが、ずるさがカビのようにびっしり生い茂ってくる。楽に生きる方法ばかり、自分が傷つかないで生きる方法ばかり、あわよくばうまく生きる方法ばかり考えるようになる。精神は墜落する

『働くことがイヤな人のための本』より

このように結構現実を突きつけてきます

実は私も長期間(と言っても1年以下ですが)無職でいました
この本に書かれている通り、段々外に出るのが怖くなります
一人暮らしだから働かなくては!と思いつつも面接で落ちたらどうしようとか、外に出るのが面倒になったり
何となく逃げ癖がついてしまうんですね

多分、嫌な仕事は辞めろ、働かなくていいみたいな
よくあるインフルエンサーが書くような内容の本なら途中で読むの辞めてました

お尻に火をつけてくれるというか、背中を押してくれるというか
そういう感じの本です

世の中は理不尽

著者は言います
「世の中は理不尽だ」

確かに理不尽極まりないです
私なんて特に貧乏な家に生まれて、身体も悪かったし余計にそう思います
さらに販売職をやってると理不尽な事で怒られたりする事が非常に多いです

でもその理不尽を受け入れる事が生きるという事なんだと
途中から何となく哲学っぽい話になっていきます
哲学知らんけど・・・

だから天才たちの成功話を聞いたり読んだりしても意味はない
なぜならこれを読んでいる多くの人は天才じゃないから

確かにそうなんですよね
天才の話とかエピソード聞くとその瞬間はテンション上がるんですけど
同じようなマネはどうやったって出来ない

この本の最初から最後まで理不尽については頻繁に語られています
理不尽を受け入れないと仕事なんかやってられないですよね

何をすればいいのか?

ほとんどの人は自分の命を懸けるような仕事は見つけられないと著者は言います
天職なんて見つけられなくていいし、生き甲斐なんか感じなくても良い

ただ現実では一生寝ているわけにはいかないのです
働いて理不尽な思いをしてもそれを問い続ける事が生きる事

最終的には何もなければ考え続けて哲学をやればいいとなってましたが、この辺りになると難しくて私はちょっとよく分かりませんでした

悩み続けて、考え続けて、自分に問い続けながら働けばいいんじゃないでしょうか
欲を言うと「世の中理不尽だよね~」なんて思わなくていい人生が良かったけど

本のタイトル

タイトルは『働くことがイヤな人のための本』となってますが、ちょっと違う気がします

働くのが怖くて引きこもっているけど、このままじゃいけないと思っている人のための本
もしくは
働くのが嫌で辞めたいけどどうしようか悩んでいる人を思いとどまらせる本・・・かな

口語調や対談形式で読みやすかったんですが
哲学的で分かりにくい部分も多かったです

働くことというより人生そのものを語っているような内容でした

天涯孤独の私に刺さったのはこの箇所

その人が死んでも誰一人悲しまない死に方はいいもんだ。はじめからその人が生きていなかったように、死んでしまうのはいいもんだ

『働くことがイヤな人のための本』より

悲しむ人がいないと未練がなくていいかもしれない
自分がこの世に存在しなかった事と同じだから

自分が死んだら悲しんでほしい人の方が多いのかな?
そんなに泣いて欲しいもんだろうか

はじめからいなかったかのように死ぬ
私はこれでいいな!

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