【本の概要】
結婚しててもしてなくても人間最後は一人。
老後の一人暮らしのノウハウをネガティブなメッセージではなく、おひとり老後に必要な事が分かる本。
著者の周りにいる実際の人物を実例にあげて具体的なノウハウを提供している。
著者:上野千鶴子
富山県生まれ。
大学教授、研究員。専門は女性学、ジェンダー研究。
1994年「近代家族の成立と終焉」でサントリー学芸賞を受賞している。近年は高齢者の介護問題に関わっている。
著者(上野千鶴子さん)が提案している事
著者は人間は一人でも生きていけると書いてます。そして本の中で著者は様々な提案をしています。
子供に同居の提案をされたら断る事
高齢者の自殺率は同居老人の方が独居老人より高いというデータを持ち出して、その理由が書かれています。
これはその家族によるかと思う。もし心優しい家族がいて良い関係を築いてるなら同居の方がいいでしょう。
ただ著者は家族と住むことで起こる弊害を例にあげてます。
自分名義の不動産を持つこと
私は少し無理して独身なのに一軒家を購入しましたが、これは持てる人と持てない人と分かれると思います。
3つのパターンがあって
- 夫が亡くなって不動産が自分名義になる
- 独身は自分で購入する
- 親の不動産を相続する
他人の不動産を奪うとかもあるかもしれませんが、ほぼこの3つのどれかだと思います。なぜお勧めするのかその理由が本に書かれています。
個人年金のすすめ
これは、もう色んな方がおすすめしています。
確かに生命保険や金融資産より生きている間だけ出る個人年金の方が良いと思います。
特におひとりさまだと生命保険って受取人いないし。
私個人は保険には入っていないですが(家を購入したので団信には入ってます)、idecoには入っています。
ちなみにidecoは会社員が掛けれる上限枠23,000円掛けてます。
保険はいらない気もするんですが、月々が安い掛け捨てのこくみん共済くらいは入ろうかなと思っています。
idecoなら口座管理料がずっと無料の松井証券のidecoをお勧めします。
老後の住まいの提案
一番の問題はコレ!
独身の一人暮らしが、ある程度年齢がいったら1番悩むのってこれではないでしょうか。
私は断然、独身なら一軒家の購入をおすすめします。理由はこちらのブログに書いています。
ワンルームのすすめ(著者おすすめ)
著者はワンルームをすすめています。
私は長いことワンルームの賃貸を転々としましたが、ワンルームは嫌ですね。
とにかく狭いです。1番広いところで10畳1部屋でしたが、そんなに物が多くなくてもベッドとソファーを置いたら息苦しいです。
かと言ってだだっ広いワンルームだと家賃は高いし、冷暖房もなかなか効かきません。
購入したとしても万が一の時売りにくそうです。
ちなみに著者は60平米のワンルームがお気に入りだそうです。60平米ってかなり広いですよ。畳だと38.74畳です。
シニア向けのコレクティブハウス
この本を読んで初めて知りました。
どういうものかというとそれぞれの住居にトイレ、浴室、キッチンが完備しており、シングルでも家族でも入れる集合住宅。
共有スペースとして、食堂やリビングルーム、図書室、子供の遊び場、洗濯室、菜園スペースなどを設置。
メリットはこちら
- 共有スペースが豊富なので、独身の一人暮らしでは持てないようなスペースが確保できる。
- セキュリティが高い
- 住民同士のコミュニケーションが密
デメリットはこちら
- 掃除などの役割分担がある
- 人間関係が密すぎる
私はパスです!
こコレクティブハウスについては、また本などで詳しく調べてブログで紹介したいと思います。
ケア付き有料老人ホーム(ただしおすすめではない)
これもありだと思います。
私の地域にも新しい老人ホームが次々と建っています。
ただし著者はおすすめしていません。私も自分には無理だと思ってます。
入居金が高いし、月額利用料も高いです。施設の不祥事も多いし、倒産なんかしたら行き場がありません。
また地域の選択や施設の現状なども紹介されてるので、読んでみてこういうのもあるんだと知るのもいいかも。
コレクティブハウスも私は嫌ですね。コミュニケーション能力の高い人なんかは楽しく過ごせるかもしれませんね。
住まいの費用的なこと
本の中で紹介されていたコレクティブハウスですが、25平米で入居金370万円、月額利用料(食費込み)13万円。(高い)
確かに入居金370万円は老人ホームなどに比べれば、格段に安いけれど、月額利用料13万円。
今はギリギリ払えますが老後、仕事を辞めた後に月々13万円。私は払える自信ないです。てか無理。
良心的なところでその金額なら、コレクティブハウスの線はないなと思いました。
おすすめの本
著書の中でたくさんの本が紹介されていました。紹介されていた本で興味を持ったもの。
「出口のない家」小笠原和彦
著者は老人ホームの警備員。
老人ホームを1度入ったら2度と出られない場所といいます。施設に入居しても自宅に帰りたがる人の方が多い。
そして自分の意志で入った人はほとんどいないと書いてます。
「家族と住まない家」寺田和代、島村八重子
安心して一人暮らしが出来る場所を確保するにはどうすればいいか。実際にコレクティブハウスに入居した著者の実体験レポートです。
「いのちのことば」柳澤桂子
著者は生命科学者の方。紹介されていた一文に共感しました。
宗教書、哲学書、文学書などを乱読するうちに(中略)人間であることの悲しみが薄らいだわけではない。
「いのちのことば」柳澤桂子より
本を読む事によってむしろ、その悲しみは動かしがたいものになっていった。しかし、その本当の悲しみを知ってしまったのは、私だけではないということに気づいたのである。
この本ではない別の本になるけど、この本の中で1番共感した一文です。
「遺品整理屋は見た!」古田太一
日本初の遺品整理のプロが見た。46もの壮絶な現場のレポート。一時期話題になってましたね。持ってるけどまだ読んでないです。
著書の中で登場するパワフルな人たちの実例
これが読んでて1番楽しかったかも。こういう人が実際いらっしゃるんですね。
- 100戸ばかり別荘が点在するところで1年中暮らす70代の方。オフシーズンもそこで暮らすのはこの方とあと2世帯だけなんだとか。しかも一人暮らしはこの70代の人だけ。
- 60代で山暮らしを選んだ佐代さん
- 60代で平屋の一戸建てを気に入った土地をみつけ建てた和美さん
- 親を看取った後に、実家を処分して離島で一軒家購入した人
- 集合住宅をゼロから作り上げた西條節子さん
- 14年も父親の介護をし自身も脳梗塞で半身麻痺となるが精力的に活動されている社会学者
山奥で暮らしてる高齢女性の方って買い物とかどうしてるんでしょうか・・・。気になる。
満足死とは
この言葉は私は初めて聞きました。
満足死とは本人、家族、医療関係者の3者ともが満足する死のことです。
要は、そこそこ大往生で長生きして、病院に運ばれても長く患うこともなくポックリって感じでしょうか。
しかし死ぬのは自分なのですから自分の満足だけでいいのでは。著者の意見に賛同しました。
ただ、天涯孤独なので私は、後片付けする人の負担は軽くしたいですね。
ゼロは無理ですがなるべく減らすように配慮はしたいと思います。
エンディングセンターとは
エンディングセンターについても書かれていました。死と葬送に関することをサポートする団体です。NPO法人で内閣府のHPからリンクされてるので怪しくはないと思います。
リンク貼っておきますね。エンディングセンター
トップページに「あなたが生きた事を桜は忘れない」ってドーンと出てきて、ちょっと引きました。どちらかというと私は誰にも自分が生きていた事を覚えていて欲しくないです。さっと見てみました。
桜葬っていうのをやっていて、身寄りのない人も合同祭祀などやってくれるらしい。継承者不要なので私にはピッタリかもしれません。
1番気になるのは生前サポート。
書いてある通りだと、民間サービスも取り入れて、入院の保証や付き添い、財産相続や遺言の執行などもサポート。
これちょっといいかも。
東京と大阪にしかないけれど。全国からOKと書いてある。料金が年会費が1口1万円としか書いてなくて一体いくらなのか分かりませんが・・・。
30年後くらいにはこのようなサービスが、もっと増えている事を期待します。
「おひとりさまの老後」を読んで実行しようと思ったこと
実行しようと思ったのは以下の3つです。
- まだ早いけれど遺品整理。断捨離にも繋がりますよね
- 老齢になったらデイサービスには入ろうと思う
- エンディングセンターみたいなサービスを早い時期に調べておく
この3つですね。サービスには今後期待です。どうせお金は残す人もいないので使いきればいいでしょう。
「おひとりさまの老後」の中で気になった一文
著書で気になった箇所を引用させていただきました。
死というのはそもそも孤独な行為。死の瞬間誰かにそばにいてもらうことはそんなに大事な事かな。病院や施設に居れば医療や介護のプロが看取ってくれるから、その人たちに「ありがとう」を言って逝けばいい
「おひとりさまの老後」上野千鶴子より
私も死ぬときはそばに誰もいなくていいです。死ぬ瞬間とか見られたくないし。でも死後はスムーズに処理してもらえるような環境ならいいなとは思う。
ひとりで死ぬのはぜんぜんオーライ、ただ、あとの人の始末を考えて早く発見してもらうような手配だけはしておきなさいね。
「おひとりさまの老後」上野千鶴子より
これはその通りですね。死んだ後の事は知らないと言えばそうなんですが、やはり迷惑は最小限にしておきたい。
高齢者のひとり暮らしを「おさみしいでしょうに」というのは余計なお世話というものだ。ゴキブリのように身を寄せ合って暮らすことを「さみしくない」のとカン違いする貧乏性は、大概にしてもらいたい。
「おひとりさまの老後」上野千鶴子より
ここまでは思わないですが著者の方、誰かに何か言われたんでしょうか・・・。恨みを感じてしまって怖いんですけど。
私はもし家族がいるならば、大きい家で夫婦二人暮らしでめったに顔を合わせないとかならいいかな。
「おひとりさまの老後」を読んだ感想
タイトルに惹かれて読みました。独身の一人暮らしですが、正直老後の事なんてほとんど考えてはいないです。
家を購入した時は少し考えましたが。
この本を読んで、世の中には色んな人がいると分かったことは良かったかも。
そしてそんなに心配しなくても、世の中には色んなサービスがあることも分かりました。それには対価としてお金が必要なわけですが・・・。
著者は死ぬのは自分なんだから周りは気にしなくていいと言います。その著者でさえ家で亡くなった時は早く発見してもらえるよう工夫することが大事と言います。これには賛成。
死んだあと、見られたくない物とか、例えば日記とか手帳とかありますが、もう自分は死んでしまっているから恥ずかしいとか思わないだろうしいいかなと思います。
ただ、後片付けする人に申し訳ないので、70歳超えても生きてたらデイケアサービスとか週2か3くらいで入ろうかな。それで充分な気がします。
コレクティブハウスは私には向いてなさそうなので、エンディングセンターみたいなサービスが30年後くらいには増えてたらいいなと思いました。
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